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執筆者の写真桜庭文次郎

尾行って...

更新日:2020年11月6日

探偵のお仕事で一番重要で難しいのは尾行です。

対象者のその日の行動を記録した報告書を作り上げるので、ただ追いかけるのではなく撮影も必要になるからです。


人の行動は他人には予測がつきません。。

自転車、電車、対象車両、タクシー、飛行機で移動したりと、可能性があるものはできる限り事前に準備をします。

しかし、時に対象者が忘れ物をして家に一度帰ったり、買い物していても商業施設やスーパーで色々な場所や物を見て回ったりと…予測不能な行動を取ることも多い。


男性調査員が女性対象者を尾行していると困るのが、デパートなどで婦人服や下着を見て回る時です。

居場所がないので、彼女(妻)を待っている素振りをしたりしますが、周りから見てそう見えるか…?

そういった場合、数名でエレベーターやエスカレーターなどの経路の監視を行います。

近年では、朝夕の電車の女性専用車もまた、男性調査員泣かせです。


対象者が歩いているとき、探偵は対象者の1.5倍は体力を消耗し、それなりの集中力も必要です。

対象者が家から出てくるときに本人確認ができなかった場合は回り込んで顔の確認をしなければなりません。

人通りの少ない路地を尾行する際、対象者から距離を置き、路地を曲がって見えなくなれば小走りで曲がり角まで行き、対象者がどちらに行ったかを確認します。

対象者が最寄りの駅に到着するときや混雑している場所などでは対象者との距離を縮めて見失わないようにします。



調査員は状況により、尾行が発覚すると判断した場合と危険だと思われる場合など、対象者の尾行を解除する場合があります。

電車のドアが閉まる寸前で飛び乗ったり、道に迷い同じ路地を往復して何度も調査員とすれ違ったり、何度もこういった状況に陥る時がまれにあります。

車両追跡時にも車線変更を繰り返し、信号を黄色や赤でも通過する対象者、以前には150km以上で高速道路を走行する女性対象者もいましたね......


探偵のお仕事で一番してはいけないこと、それは尾行が対象者に発覚することです。

対象者に追跡がバレると対象者は警戒します。

警戒した対象者は付いてくる人間がいないかを観て早歩きになったり、電車をわざと一本遅らせたり、警察に駆け込んだり…

そうなると、そこで終わりです…次が無いのです…


尾行はバレず、見逃さず、なのです。


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